できれば仕事なんかせずに人生を過ごしたい私のような人間も、仕事とプライベートの狭間で悩む方には、たくさんのヒントが得られると思います。
自分にとってのワークライフバランス
ワークライフバランスと言う言葉を聞くようになってから随分経ちましたが、今も良く耳にします。一時の流行というわけでもなさそうです。この言葉の表面だけ聞きかじって、残業は全否定している方もいるのではないでしょうか。私も「残業=悪」と思った時期がありました。
本書ではワークライフバランスを考える前に、自分が仕事に求めるものが何なのか、しっかり向き合うように勧めています。そんな中でお仕着せではなく、自分だけのワークライフバランスを見つめようと主張しています。
世間と自分のワークライフバランス
自分のワークライフバランスと、会社の方針が合えば言うことないのですが、実際は合わないことの方が多いと思います。そんな中で自分の道を進むのは大変苦労がいるでしょう。
その苦労の大変さを、本書では下記の引用で表現しています。
きみたちをほかのみんなと同じ人間にしようとするこの世界で、ほかの誰でもない自分自身でいようとする戦いは、人類のなかでもっともきついものであり、そして決して終わらない戦いである
本書はその答えについてはあまり言及してくれません。むしろ、その大変さを強調しています。
しかし、やりがいのある仕事を真剣に求めることの価値はたくさん語ってくれます。
仕事と真剣に向き合う勇気を与えてくれます。
ただ、本書は結果よりプロセスを大事にしすぎていると感じる部分もありました。
結果ばかりに振り回されている人には非常に有用だと思いますが、私としては後から結果がついてくるなんて事は滅多にないと思っているので、この点は著者と意見が違っているように感じます。
「真剣にプロセスを大事にしてきたのか」と著者には突っ込まれそうですが。
著者と一杯飲みながら話したくなる一冊です。