不思議な本でした。私にとっては決して平易ではない文章なのですがどんどん引き込まれてしまいます。
電車の中で読んでいて、何度か乗り過ごしてしまったりしたほどです。
読み方
私は速読を習ったりしたわけではないのですが、恐らくこの本は「速読禁止」でしょう。本書が問いかける事柄にはじっくり向き合っていかないと、本書を読んだ事にはならないと思います。
例えばこんな質問です。
四元素(水、空気、土、火)の原風景を思い起こしてみてほしい。
著者の水から想起する原風景は、
水については、直ちに渦巻きが思い浮かぶ。水が渦のなかへともぐりこむ手前で、水は一瞬躊躇する。そして、ひとたびもぐりこんでは、しばらくして再び大気中に噴出するように盛り上がってくる。
こんな調子で考えさせられる問いがたくさん発せられます。これらの問いを考えることで、オートポイエーシスと言うものと、「できるようになる」感覚の一端がつかめてくると思います。
効用
この本を読み進めるに従って、今まで通勤で歩いている道が新鮮に見えてきました。そして、歩き、手を振ることで風を感じていることを思い出します。
世界はこんなにも見て、考えて、想像する対象に溢れているのかと驚愕します。
ちょっとオカルトじみてるかもしれませんが、私の言葉ではこれくらいの表現しか出来ないのが悔しい所です。
考える、感じる、想像する、知覚する、これらの行動がどれだけ世界を広げるか思い知らされました。
本書を読み進めていくとどんどん感覚が研ぎ澄まされていくのを感じます。
またしばらくして読み返したくなる一冊です。
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