2009年9月22日火曜日

無意識の力 -影響力の武器

影響力の武器を読了しました。
ページ数も400ページを越え、見た目にも分厚い本書ですが、そのボリューム相等の知見が得られる良書です。

無意識の力

本書では人の無意識を操る数々のテクニックが詰まっています。それらを正しく使うか悪用するかは読み手に委ねられている所が本書の怖いところではありますが、怖さを感じるくらいに説得力と納得が得られる事象が数々紹介されています。無意識の行動については、七面鳥の母親とヒナ鳥の鳴き声が例に挙げられています。
ヒナ鳥がピーピー鳴けば母親はそのヒナ鳥の面倒を見ますし、鳴かなければヒナ鳥を無視したり、あるいは殺してしまうことさえあります。

人間がこの母鳥の無意識の行動を笑う資格が無い事を、本書を読み進めるにつれ思い知らされます。

影響力のすさまじい攻撃力

本書で紹介されている影響力は大きく分けると6種類になります。下記は章題を抜き出したものです。大体内容が想像できるのではないでしょうか?
  • 返報性 -昔からある「ギブ・アンド・テーク」だが
  • コミットメントと一貫性 -心に住む小鬼
  • 社会的証明 -真実は私たちに
  • 好意 -優しい泥棒
  • 権威 -導かれる服従
  • 希少性 -わずかなものについての法則
これらの影響力が如何にあがらい難いかを本書を読むことで思い知らされるでしょう。そして本書自体、その力に手を焼いているように感じられます。各章末には影響力を行使された場合の防御についても記述されていますが、影響力の攻撃力に比べ、その対策として提示されている内容の防御力はあまりに低く感じました。
防御方法について一言で言えば、「本質を見失わないこと」。それが出来たら苦労しないですよね。

影響力行使の副産物

人は本書で紹介されている影響力に無意識に従う一方で、無意識にこれらの影響力を発揮しています。これまで生きてきた過程で無意識に身につけて来ている訳です。
これらのテクニックを使っているとき、その人がホントにほしいものが垣間見れます。実際、会話の中で少し注意すれば、影響力が行使されている事は意外と多いです。それが意識的か無意識かは置いておいて、こういった形でその人の本音を掴み取れるのも副産物でした。
周りが重要視している物事を理解するよう説いている、先日読了した影響力の法則に通じる部分です。

まとめ

先に述べたとおり、本書で紹介している影響力の中には、無意識に身につけているものもあるかと思います。それら一つ一つを詳細に分析されていくと、自分の心の中を開かれる感覚さえありました。
実は本書の続編である影響力の武器 実践編が既に手元にあります。続編を読んでさらに影響力のすごさを実感する予定です。




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